今週のピックアップ!

1999年 7月 9日 第11号

技術介入性についてパチンコ編

新台ラッシュが一段落してきた感がある今日この頃、ピックアップでは現在のパチンコ・パチスロ事情をちょっと掘り下げて見ようと思う。元々パチンコのおまけ的な存在だったスロットが今日のようにシェアを拡大し、パチンコ人気が衰退してきているのはなぜか。ピックアップ的見地から考えてみる。

パチンコにおける技術介入とはなんだろう。万人に受け入れられる遊戯として発達してきたパチンコは、ビックリするほど操作が簡単だ。ゲーム機のように多種多様なコントローラーがあるわけも無く、あるのは「ハンドル」と「ウェイトボタン」のみ。この2つを使うわけだから、おのずと操作も限られている。「打つか打たないか」「どこに打つか」これだけである。

一般のパチンコにおいて技術介入と言えばすぐに思い浮かぶのが「止め打ち」である。止めるのか打つのか、よく考えて見ると違和感のある単語だが、その通りなのだから仕方がない。止めたり、打ったりするわけだ。しかし止め打ちと一口に言っても、その意味は色々ある。おおまかに分けて

(1)通常時の止め打ち

(2)確変(時短)中の止め打ち

(3)体感機による止め打ち

の3つだろう。ちなみに体感機とは、パチンコ台の内部プログラムの周期を再現し正確なリズムを刻む機械である。現在すべてのデジタル物のパチンコ台は一定の周期で大当たりのポイントが巡ってくるようになっているので、大当たりポイントさえわかって、そこだけ狙い打てれば飛躍的に大当たり確率をアップ出来る。2、3の機種が今も攻略の対象となっているが、周期が人間に追えるスピードかどうかだけで、仕組みはどれも一緒なのだ。

今から数年前、体感機によって攻略できる機種がそれこそ雨後の竹の子の様に続々と登場した時期があった。メーカーの開発側がバカなのか確信犯なのかは今となっては定かではないが、パチンコ雑誌に毎号のように表紙を「攻略方発覚!」と謳い、各種攻略方を提供する会社やそれを専門に使う攻略プロが数多く登場し、暗躍した時代でもあった。(暗躍はちょっと言い過ぎか)

ホール側としては深刻な被害を受けたところも少なくないであろうと推察される。春一番で一躍有名になった浪花の梁山泊グループでは、1日数百万円単位で荒稼ぎしていたと報道されているが、これは氷山の一角であろう。ニュースとして流れない部分ではそれを上回る額が全国的に動いていたはずだ。

一体その途方も無い額のお金はどこから出ていたのか?最終的には一般のファンの懐が負担していたわけだが、直接的にはホールからである。当然ホールとしては攻略法に敏感になっていった。その為、金額的な面だけでなく遊戯においても一般のファンは負担を強いられる様になったのだ。(もちろん、その他の要素も多々あるが)

前述の(1)(2)の止め打ちについてである。基本的に保留ランプが4つしか無いのだから、それを上回って入賞した玉については全くの無駄になり、それを防ぐのに止め打ちする事は当然であり、その為にウェイトボタンがついているわけだ。

にもかかわらず、止め打ちに対して過剰な反応を示すホールは多い。弱い(お客の少ない)ホールでは営業的にそれをされるとキツイ面もあるだろうが、やはり「攻略されていたら…」との懸念が過剰な反応に拍車をかけている。その結果、保留が満タンだろうが、リーチがかかろうが、とにかく座っている間はずっと玉を打ってください的な対応のホールが出来あがる。機械にウェイトボタンがついている以上、止め打ちするのは至極当然の事だ。ファンはホールに対して選択する余地があるのだから、イヤなら行かない、くらいの気持ちを持ってもいいと思う。

それに対してスロットはと言えば、技術介入花盛りと言えるだろう。元々リールを自分で止めるのだから、パチンコよりずっと介入の度合いが多い上に4号機が登場して以来、リプレイハズシや通常時の小役狙い、設定判別法など多岐に渡った技術が現在もかなりの機種に通用している。順応性の高い若者に受け入れられて当然だ。今後もしばらくこの方向性は変わらないだろうと見られる。

「好きなものこそ上手なれ」との言葉があるように、なんの遊びでも上達の面白さがあってこそ継続していくものだ。技術介入を前面に押し出しているスロットに対してそれを無くしてしまったパチンコ。どちらの前途が明るいかは比べるまでも無いだろう。筆者も十年来パチンコをしてきたファンの1人として今一度パチンコが新しい楽しみを提供してくれることを切に願う。

今週は「止め打ち」にスポットを当てた為にもう一方の「どこに打つか」(ストローク)については後ほど機会があったらまた書こうと思う。来週はスロットの技術介入についてだ。

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