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【3443】 | RE:カラマーゾフの兄弟 メルカトル (2010年11月19日 23時18分) |
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ドウコク!さん、こんばんは。 >だから、「1位の作品」と言われても、最初から全くあてにしてませんでしたが、まあ、そんなのがあってもいいかも。 「このミス」は歴史が古いですから、それなりに権威を持ったベストものだと勘違いされている方も多いと思います。 実際年末の書店では、「このミス」のベスト10の作品を並べるのが恒例になっているようですし。 ただ、単行本が多いので、それだけで購入に踏み切るのはそれなりに勇気がいるでしょうね。 まあ、広義のミステリ・ベストだと思って大目に見てあげましょう。 かなり権威は落ちている気がしますが。 >ところで、「隻眼の少女」、売れているらしいとは言え、やはり映画化は難しいでしょうね……。 東野圭吾氏のようなネームバリューがないですからね。 その点も、意外と重要なポイントとなると思います。 映像化に関しては、様々な問題がありそうですね、私も難しいと考えます。 もし映画化されるとすれば、どうしてもみかげのキャラに頼らざるを得ない状況になる気がします。 そうなると、本来のミステリならではの繊細さが損なわれてしまう結果になりかねないと思いますね。 >おそらく、原作に無いエピソードも交えているのでしょう。 そうかも知れませんね。 平介が担任の先生といい雰囲気になって、それを見た藻奈美が嫉妬するとか。 事故を起こしたバスの運転手の妻と平介のやりとりなどは、原作にはないシーンかなと思いながら見ています。 >神や信仰についての深い記述がありますので、そういうのを受け入れられる土壌の地域では、芸術でしょう。 なるほど、この小説は、そういった信仰に対する記述もかなり含まれているのですね。 その意味では高尚とも言えるかも知れませんね。 だからこその文学作品なのでしょうけど。 >何だかんだ色々なエピソードも、結局はそんな彼の人望を、引き立てるような読後感となります。 「こいつ、エエ奴やな。」と。 登場人物は限られているようなので、煩雑さは感じられない気はしますね。 ドウコク!さんの書評から、一本筋の通った、立派な作品だと感じました。 ではまた ^^ |
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【3445】 |
ドウコク! (2010年11月20日 22時33分) |
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これは 【3443】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、こんばんは。 >かなり権威は落ちている気がしますが。 でも、「このミス」、宣伝にはまだ有効みたいですね。 文庫本の帯なんかには、「20★★年 第○位」などと付いているのを、よく見かけます。 それを見て、つい買う人も多いのでは? >東野圭吾氏のようなネームバリューがないですからね。 なるほど、言われてみれば、そうかも。 「容疑者Xの献身 〜原作 ミステリ界の旗手 東野圭吾」なら、かなりの人が「おお?」と興味を持ちそうですが、 「隻眼の少女 〜原作 奇才 麻耶雄嵩」では、ほとんどの人がそれだけでは、食いつきそうにないですね……。 「レイクサイド」なんか、東野氏の名前だけで映画化されたような気がします。 >事故を起こしたバスの運転手の妻と平介のやりとり 確かに、「秘密」の原作では、これは無かったと思います。 息子とのやりとりは、ありますが。 ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、つづき。 >登場人物は限られているようなので、煩雑さは感じられない気はしますね。 煩雑さの印象はあまり無いですが、登場人物自体は、結構いますよ。 私が省いただけです。(忘れた、というのもあるけど。) 特に、主人公の三男アレクセイ関係で。 ←ここで、彼の好人物ぶりが強調される。 さて、本作、解説によると、実は「第1部」に当たる予定だったそうです。(これは、作者の書簡などから、推察される。) で、次の「第2部」では、あの好漢アレクセイが、政治運動に走り、何と皇帝暗殺未遂事件を起こす、という驚愕の展開とのこと。 ド迫力でボリューム満点の本作も、それに向けての伏線だったというわけです。 残念ながら、この構想は、作者の死によって、実現することはありませんでした。 あの、神と信仰の塊であった彼が、そこ(皇帝暗殺)に至るまでの道のりを、 読者を納得させ、「第1部」なみに飽きさせずに描いたならば、それは真の芸術作品の誕生だったと思います。 とはいえ、やはり解説にもあったのですが、「本作はこれで充分に完結している。」という意見にも、賛成です。 |
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