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【2018】 | RE:桜宵 ドウコク! (2010年03月22日 22時04分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >『ダービー物語』事件 ふふふ、懐かしいですね。 あれは摘発する命令を出した上層部の人間以外、一般のパチンカーはもちろん、 現場の警察官もおかしいと感じたのではないでしょうか。 さて、「桜宵」、つづき。 料理の記述の地味さに、 >他の要素に重点を置いた結果と言う事でしょうか。 とのことですが、これは正直、私には分かりません。 強いて言うなら、今回の話に上手く組み合わせる料理が無かったのではないか、と思います。 「花の下にて〜」では、水魚さんの話、カメラマンの話によく合う料理が出ましたが、 料理的な要素を含んだ話が、今回は少なかったのではないか、と勝手に思っています。 あと、「花の下にて〜」と決定的に違う、と感じた点があります。 それは、今回、一応ミステリの形をとってはいるが、それは形だけで、人間ドラマの方により重点を置いている、です。 「花の下にて〜」では、客の持ち込んだ話の些細な部分を頼りに推理して、工藤が事件の全貌を解き明かすことに、 多少の強引さを感じながらも、一応、伏線らしきものは随所にあったと思います。 ですが、今作では、そういったミステリ的工夫はあまり感じませんでした。 ですから、真相を話す工藤は、「安楽椅子探偵」というよりも、他人の心を読み取る超能力者のような感じでした。 でも、それが苦にならないほど、真相のドラマ性は練られていたと思います。 特に、1番初めと1番最後の話は、人間の思いの深さ(良くも悪くも)が見事に描かれていたと感じました。 「ミステリ」という範疇にこだわらず、人間ドラマとして楽しむならば、充分に価値のある一冊だと思います。 |
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【2023】 |
メルカトル (2010年03月22日 23時12分) |
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これは 【2018】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >あれは摘発する命令を出した上層部の人間以外、一般のパチンカーはもちろん、 >現場の警察官もおかしいと感じたのではないでしょうか。 これから起こる、良くも悪くもパチンコの歴史を変える一大事件の発端の目撃者となったわけですからね。 ただ、当初はその裏に隠された陰謀に気付く人はいなかったでしょうね。 何らかの意図を感じたとしても、これほどまでに大規模な事態に発展するとは思ってもみなかったに違いありません。 >強いて言うなら、今回の話に上手く組み合わせる料理が無かったのではないか、と思います。 うーむ、そうですか。 まさか料理のネタが切れたわけではないでしょうし、おっしゃるような理由からなのかもしれませんね。 それにしても少々残念ではありますね。 >ですから、真相を話す工藤は、「安楽椅子探偵」というよりも、他人の心を読み取る超能力者のような感じでした。 なるほど、これは所謂「神の視点」というアレですね。 つまりは、作者自身から見た俯瞰を作者に成り代わり見渡して、真相を看破してしまうやや強引な手法を取っているようですね。 そうしたミステリも個人的にはアリだと思っていますので気にはなりませんが、読者によっては納得できない人もいるかもしれません。 >「ミステリ」という範疇にこだわらず、人間ドラマとして楽しむならば、充分に価値のある一冊だと思います。 ミステリから少し離れてしまったのは残念ですが、そういった事情であれば問題なさそうですね。 本来、北森鴻氏という作家はトリックよりもプロット重視の印象が強いですので、人間ドラマを描かせれば一流の作品を残せる人なのではないでしょうかね。 ではまた ^^ |
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