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【1704】 | RE:【黒猫倶楽部】〜ミステリを語りません ゴールデンゼウス (2010年02月18日 23時25分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >カインコンプレックスとはまた、一風変わったテーマを取り上げていますね。 >兄弟間の心の葛藤などの描写もされているのでしょうか。 ドウコク!さんのレスにもちょっと触れましたが、映画と小説ではかなり印象が違うと思います。 4人の少年達はそれぞれに家庭に事情を抱えています。主人公は死んでしまった兄のことを両親がいつも話題にするので、カインコンプレックスといっても、死んだ兄弟に対してです。 そこで両親に認められたいという気持ちからの、ひと夏の旅というか冒険になるわけですが・・ 前にも書いた通り、この本の原題は「死体」です。 本来青春小説の題材ではありませんよね。 だから原作を読まないで映画を見ると、子供のときの 甘酸っぱい記憶が呼び覚まされる感じになりますが、本来はもっとヘヴィーな内容ですよ。 ジョン・レノンの音楽も完全に映画をサポートしてしまいましたね。 >『メインディッシュ』もかなりの高評価を得ているようですね。 「香菜里屋」シリーズよりかは、料理に関してはザックリとしていますが、それでも十分なのですが、一話づつではよく判りづらいのですが、最後で全てが納得できる良い出来ばえですよ。 又、この小説は最後に自分(北森鴻)が登場します。 本当の意味での登場ではないのですが、かなりシャレがきついのですが・・なるほどそういう事か!と。 ヒント:「虚無への供物」で最後にアリョーシャとみさおが事件を振り返っているとき、Bar アラビクのことを思い出しますよね。 あれと似た感じです。 それではまた。 |
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【1710】 |
メルカトル (2010年02月19日 23時27分) |
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これは 【1704】 に対する返信です。 | |||
ゴールデンゼウスさん、こんばんは。 >主人公は死んでしまった兄のことを両親がいつも話題にするので、カインコンプレックスといっても、死んだ兄弟に対してです。 なるほど、そうですか。 実は今大石圭氏のホラー小説『アンダー・ユア・ベッド』を読んでいるのですが、本作にも同じように死んだ兄に対するカインコンプレックスが描かれている場面があります。 青春小説とは全く異なるジャンルですが、根底に流れる主人公の置かれているやり場のない感情は共通するものがあるかもしれませんね。 >だから原作を読まないで映画を見ると、子供のときの >甘酸っぱい記憶が呼び覚まされる感じになりますが、本来はもっとヘヴィーな内容ですよ。 だから原作を読んでおく事は大事なんですよね。 映画を観ただけでは決して味わう事のできない、文字だけの世界には、著者の各作品に対する様々な思いを感じ取る事が出来るわけですし、読者に対するメッセージを受け取る事も可能だと思いますし。 >「香菜里屋」シリーズよりかは、料理に関してはザックリとしていますが、それでも十分なのですが、一話づつではよく判りづらいのですが、最後で全てが納得できる良い出来ばえですよ。 一話一話が最後に収斂される、ということでしょうか。 まあ、それが連作集の最も好まれる点だと私は勝手に思っているのですが、本作に関してもそれは十分に生かされていると考えて良いのですね。 >又、この小説は最後に自分(北森鴻)が登場します。 おおっ、そうなのですか、こんなところでメタ構造に出くわすとは、実に意外ですね。 まさか北森氏がそんな仕掛けを施しているとは、これには正直驚きを隠せません。 失礼ながら、この作家にそんな遊び心があったとは、作風からして想像もできませんでした。 ではまた ^^ |
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