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【1062】 | RE:背の眼 ドウコク! (2009年10月30日 20時13分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 「背の眼」、難点の件。 それは、ホラー・ミステリの名が冠されている割には、あまり恐くはない、ということです。 確かに、題材は“怨霊の声”、“心霊写真”、そして他に児童の“神隠し”など、ホラー要素が満載です。 私も、文庫本の裏表紙の紹介文を見て、「おっ、これは恐いんちゃうん?」 と恐怖感の方に期待しました。 (余談ですが、私は、「解説」 の部分は絶対に先に読みません。 中には、これを読んでから購入する方もおられるようですが。) しかし、実際はそんなに恐くないのです。 恐いだけなら、横溝氏の、金田一登場以前の作品の方が、よっぽど恐かった印象があります。 この理由は、作者の技巧の巧拙ではなく、作者の性格の違いかな、と思います。 つまり、横溝氏は、「読者を、これでもか〜これでもかと、思いっ切り恐がらせてやろう。」 という精神の持ち主、 道尾氏は、「その辺は、エグさ・しつこさを感じさせないようにサラッと書こう。」 と思っているのではないか、と。 以上、あくまで、勝手な推測ですが。 ともかく、実情はどうあれ、私は本作品に対し、あまり恐さを感じませんでした。 ですから、「ホラーor恐怖感」 を求めて本作品を読もうとする方にとっては、肩すかしかも知れません。 これが、“難点”という意味。 でも、ミステリの方を求めるというのならば、その点は気にならずに、十分に楽しめて、欠点とは感じないでしょう。 ここが、「ホラー色の強いミステリ」 と表現した所以です。 つまり、2つの比重が同等ではなく、ミステリの方に傾いている、という意味。 同じ表現の仕方を用いれば、「リング」 は、「ミステリ色の強いホラー」 になります。 ※また、完全に“ミステリ”と言い切ってしまわなかったのは、実は少しはホラーの要素もあるから、なのです。 注 : もし、※以下の文章が、「?」 と思われたなら、スルーして下さい。 ここで詳述はできません。(理由は前回に記した通り。) |
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【1067】 |
メルカトル (2009年10月30日 22時55分) |
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これは 【1062】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >つまり、横溝氏は、「読者を、これでもか〜これでもかと、思いっ切り恐がらせてやろう。」 という精神の持ち主、 >道尾氏は、「その辺は、エグさ・しつこさを感じさせないようにサラッと書こう。」 と思っているのではないか、と。 >以上、あくまで、勝手な推測ですが。 なるほど、そうですか。 ホラー・ミステリと冠されている割には怖くないのは、やはり物足りなさを感じてしまうでしょうね。 私は横溝正史の世界観も好みの範疇に入っていますので、少々残念です。 現代の横溝正史などと評されながら、全くその域に達していないのも業腹ものですけどね。(ある作家のことです) 現段階で一番横溝に近い雰囲気を出しているのは、三津田信三氏だと思うのですが。 すみません、話が逸れてしまいました。 >でも、ミステリの方を求めるというのならば、その点は気にならずに、十分に楽しめて、欠点とは感じないでしょう。 と言うことはすなわち、ドウコク!さんにとって本作はかなりの高評価ということでよろしいのでしょうか。 唯一の欠点は、あまり怖がらせてくれない事だと。 そのような解釈で間違いないですか。 ではまた ^^ |
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