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【1052】 | 背の眼 ドウコク! (2009年10月28日 22時53分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 今、一番過ごしやすい季節ですね。 早く秋が来たので冬も早いかな、と思っていたら、結構、続いてくれているように思います。 これがずっと続いてほしい、と思っています。 (でも、ここに書けば、覗かれているかも知れないから、マズイかも。) さて、道尾秀介作、ホラー・ミステリ 「背の眼」 なのですが、おおまかな筋をご紹介します。 旅行先で怨霊の声らしきものを聞いたホラー作家・道尾は、友人で 「霊現象探求所」 なるものを開設している、真備に相談に 行くが、そこで、同じ村で撮影されたという心霊写真を、数枚見せられる。 そこには、人の背中に人間の眼が写っていた。 更に、眼の写った人間は皆、自殺しているという。 真相を解明するため、真備の助手・凛を含めた3名は同地に訪れるが、そこでは数年前と最近に、児童に関して変死事件が 起こっている。 彼らが到着してまもなく、新たに被害者(大人)が出た! 全体の印象としては、驚愕の大トリックや意外な犯人が売りではなく、巧妙な語り口に惹かれてしまう、という感じ。 ただ、同じ巧さでも、リアリティー溢れる宮部みゆき氏や、スマートさの感じられる東野圭吾氏とは、また異質です。(あくまで私見。) そうですね、読みやすい、親しみやすい、といった感じでしょうか。 多分、難しい語句や観念を並べたてずに、ただ読者に伝わりやすい文章を心がけた、みたいな平易な文体です。 平易、というと悪口にも感じられますが、私はそうではなく、好印象として捉えています。 序盤に、道尾氏と探偵役の真備との間に、霊に関するウンチク話がありますが、これが読みやすい。 以前の記憶なので曖昧ですが、「姑獲鳥の夏」 での関口氏と京極堂氏とのやり取りに比べ、とっつきやすい、と感じました。 また、麻耶氏の観念的な事物の羅列とも違うな、とも思いました。 ここで誤解なきように。 以上は、単に文体の比較をしています。 道尾氏・京極氏・麻耶氏、それぞれの違いの説明です。 ですから、どれが良くてどれが悪い、という話ではありません。 ただ、好みとして、コクのある方がお好みなら京極氏・麻耶氏、スーッと入っていけるほうが良いのなら道尾氏、という話です。 まぁ、メルカトルさんなら、分かって頂けるとは思いますが。 長くなりました。 本書のもう少し細かい点については、明日にしたいと思います。 |
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【1053】 |
メルカトル (2009年10月28日 23時25分) |
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これは 【1052】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >今、一番過ごしやすい季節ですね。 早く秋が来たので冬も早いかな、と思っていたら、結構、続いてくれているように思います。 いやー本当ですね、しばらくはこんな秋晴れで過ごしやすい日が続いて欲しいものですが、来週辺りから寒気団が入り込んで少し寒くなるらしいですよ。 冬は苦手です。 せめて雪が降らないといいんですけどね。 『背の眼』の概要の分かりやすい解説、誠にありがとうございます。 > 更に、眼の写った人間は皆、自殺しているという。 > 真相を解明するため、真備の助手・凛を含めた3名は同地に訪れるが、そこでは数年前と最近に、児童に関して変死事件が > 起こっている。 彼らが到着してまもなく、新たに被害者(大人)が出た! 面白そうですね、これだけでも結構そそられます。 心霊写真のくだりをどう合理的に解決に導いていくのか、非常に興味が持たれるところですね。 >平易、というと悪口にも感じられますが、私はそうではなく、好印象として捉えています。 私も同意見です。 簡単な事柄を小難しく説明するより、難解な事柄を簡潔に分かりやすく説明するほうが余程文章力が問われますからね。 読みやすく尚且つ、内容が伴っていればそれが一番なのではないでしょうか。 >ここで誤解なきように。 以上は、単に文体の比較をしています。 道尾氏・京極氏・麻耶氏、それぞれの違いの説明です。 >ですから、どれが良くてどれが悪い、という話ではありません。 それぞれ個性がありますからね、良し悪しと言うよりは好みの問題でしょう。 少なくとも私にとっては、京極、麻耶、両氏に関しては十分許容範囲内です。 おそらく道尾氏もドウコク!さんの解析から文体としては読みやすい部類に入るようですので、取っ付きやすいのでしょうね。 仮に今後私が読むとしても何ら問題なさそうです。 ではまた ^^ |
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